〔完〕本当の愛をあたしに教えて
「いいから、早くどけよ。
優奈が俺を呼んでんだよ!!」
この翔先輩の恐すぎる一言で
翔先輩からあたしまでの道が作られた。
翔先輩がその間を颯爽と走って
あたしの目の前に立った。
初めて会ったときみたいに
翔先輩の黒い瞳の中には確かに
あたしがいる。
・・笑顔のあたしが。
翔先輩は、そんなあたしを見て
ニッコリ笑った。
・・・・あたしだけに見せてくれる
いつもの笑顔で
「優奈、よく頑張りました。
俺は優奈のその笑顔が大好きなんだよ。」
翔先輩は、あたしの耳元でそう囁いた。