〔完〕本当の愛をあたしに教えて

「いいから、早くどけよ。
 優奈が俺を呼んでんだよ!!」

 

この翔先輩の恐すぎる一言で
翔先輩からあたしまでの道が作られた。


翔先輩がその間を颯爽と走って
あたしの目の前に立った。

 
初めて会ったときみたいに
翔先輩の黒い瞳の中には確かに
あたしがいる。


・・笑顔のあたしが。



翔先輩は、そんなあたしを見て
ニッコリ笑った。



・・・・あたしだけに見せてくれる
いつもの笑顔で



「優奈、よく頑張りました。
 俺は優奈のその笑顔が大好きなんだよ。」



翔先輩は、あたしの耳元でそう囁いた。



< 122 / 333 >

この作品をシェア

pagetop