〔完〕本当の愛をあたしに教えて
「なんで、おまえがいるんだよ。」
怜悧さんと、親しそうに話している
翔先輩。
「あたしがきてなんか悪いわけ?
連れてこられたのよ。お父様に。」
「なんだよ。おまえも連れてこられた
わけかよ。
ってか本当に久しぶりだな。」
翔先輩と怜悧さんの仲をしらない
あたしはただ二人の会話に耳を
澄ましていた。
「本当よ~。
知らないうちに婚約なんかしちゃって。」
婚約のところを強調して・・・
見下すようにあたしを見る。
結局こいつも、翔先輩を狙ってた
のかよ。
もう、こんなことを婚約してから
何度思ったことか・・・
われながら、何も反論せずに黙って
いた自分を褒めてあげたいぐらいだ。
怜悧さんとは、今日が初対面だったのに
初対面はこんな空気とは・・