〔完〕本当の愛をあたしに教えて
女二人の空気が悪くなってることを
たぶん、知らない翔先輩は話を続ける。
そして、ついに女怜悧が出てきた・・
「翔ったら、どうして百合華財閥の
娘さんと婚約したのよ~。
紫堂財閥なら別に政略結婚なんて
しなくたって充分大丈夫じゃない。」
・・・だから何が言いたいわけ?
遠まわしに、こんな不細工と婚約したわけ?
って言っているようにしか聞こえない
んですけど!!!
悪かったですね~。
翔先輩の婚約相手が百合華の中でもあたし
なんかで!!!!
もう、この場にいるだけでむかついて
くる。
でも、この毒舌にはまだ続きがあった。
「あたし、翔と結婚したかったのよ。
あっ、間違えた。
過去形じゃなくて、現在進行形でもね。」
ボソッと・・・でも
しっかりと翔先輩のほうを見て
そう言った。