〔完〕本当の愛をあたしに教えて

結城の車に乗り、数分が経った。


「ねぇ、結城。
 本城怜悧ってどんな人なの?」


ふと。突然こんな言葉が出てきた。


自分でもさっきからよくわからない。

カリカリしたり、こんなことを結城に
聞いたり。

今日のあたしはパーティーに来てから
だいぶおかしい。


「本城財閥の娘さんのことですか?」

運転しながら、後ろのあたしに確認
する結城。


「そうよ。
 今日、初めて会ったんだけど、
 あたし全然知らなかったから・・」


・・・・翔先輩との関係が知りたい。


そんなことは口が裂けても聞けなかった。

というか聞くのが恐かった。

本当のことを聞く勇気が今のあたしには
なかった。


「怜悧様は、お嬢様より一つ年上で
 クラーツ学院高校に通っていらっしゃい
 ます。」


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