〔完〕本当の愛をあたしに教えて
「隆臥はどこかに入部するの?」
「うん、バスケ部に入るつもり。」
「前の学校でも?」
「中学のときからずっと。」
「知らなかった・・頑張ってね。」
「うん。
でも、この学校のバスケ部って
強豪で有名だから・・・
ついていけるか不安なんだけどね」
じゃあまた明日ね。
そう言って、昔の隆臥からは考えられない
スポーツバックを肩からかけ、教室から
出て行った。
ハァー。
ついため息が出てしまった。
久しぶりに隆臥と話たことの
緊張が一気に解けた。
声を掛けられたとき、いつかは必ず
このときが来る。
と覚悟してたはずなのに・・
いざ、11年ぶりに隆臥の顔を
目の当たりにすると何を話していいのか
わからなくなって、凄く焦っていた。