〔完〕本当の愛をあたしに教えて

「隆臥はどこかに入部するの?」


「うん、バスケ部に入るつもり。」


「前の学校でも?」


「中学のときからずっと。」


「知らなかった・・頑張ってね。」


「うん。
 でも、この学校のバスケ部って
 強豪で有名だから・・・
 ついていけるか不安なんだけどね」


じゃあまた明日ね。
そう言って、昔の隆臥からは考えられない
スポーツバックを肩からかけ、教室から
出て行った。


ハァー。

ついため息が出てしまった。


久しぶりに隆臥と話たことの
緊張が一気に解けた。


声を掛けられたとき、いつかは必ず
このときが来る。

と覚悟してたはずなのに・・


いざ、11年ぶりに隆臥の顔を
目の当たりにすると何を話していいのか
わからなくなって、凄く焦っていた。




< 235 / 333 >

この作品をシェア

pagetop