〔完〕本当の愛をあたしに教えて
「も、もちろん翔先輩の応援ですよ」
あたしが隆臥の応援だなんて・・
ありえない。
「そうだよねぇ。
それなら別にいいんだよ」
「明日、頑張って下さいね。」
言い終えたあたしは、そっと
翔先輩のほうから視線を前の方へと
ずらした。
そういえば初めてかなぁ
こんな風に翔先輩と歩いて一緒に
帰るなんて・・・
前に買い物帰りに一緒に帰ったことは
あったけど・・
まぁ、あのときは大変だったわぁ・・
ミーハーたちに囲まれちゃって・・
翔先輩と走って逃げたなぁ。
今振り返るとかなり笑えるけどね
「何?
なんか面白いことでもあった?」
思わず笑みが出たあたしを
翔先輩は不思議そうに見ていた。
「・・・え、なんでもないですよ。
ただ・・・」
「ただ・・?」
「時が経つのは早いなぁ。と思って。」