〔完〕本当の愛をあたしに教えて

「あ~そういうことだったのね。
 やっとわかったわ。
 翔の高校のなぞ・・・・」


お母様はそういうと
笑っていた。


「それからよ。
 高校に入学して一度も実家には
 帰ってこなかったのにある日・・

 夏休みが終わった頃かしら・・
 突然帰ってきて私たちに言ったのよ。」


『一生に一度のわがままを聞いて欲しい』

 
「って・・・
 本当にあのときは驚いたわ。
 一年ぶりにあった息子にいきなり
 こんなことを言われたんだからね。

 もちろん翔の様子は本人は知らないだろう
 けど・・内緒で佐々木から教えてもらって
 いたんだけどね・・・

 ・・・・これは翔には内緒よ?

 それでね・・・
 啓さんが・・


「言ってみなさい。」

 って・・私はうなずくことしか
 出来なかったわ。


 そしたらまた突然、

 
『百合華グループの百合華 優奈と
 婚約させて欲しい。』


 そういったのよ。私たちの前で。」


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