〔完〕本当の愛をあたしに教えて

「じゃあ私はこれで・・・
 引き止めてゴメンなさいね。」


翔先輩のお母様はそういうと
第一体育館へと歩きだした。



今日は本当にたくさんのことを知った。

たった数分のことで
人生を振り返った気がした。


もちろん、今日聞いたことは
すべて初耳だった。



でも・・・
凄く、凄く嬉しかった。


翔先輩があの頃から・・
私を想っていてくれたこと。

このことがどんなことより
嬉しかった。


そして親同士で決められたと
思い続けていたこの婚約。

でもそれは・・
翔先輩の策略だった。



このとき初めて思った。

好きな人に・・
愛する人に・・
一途に想われるのがとても・・
何にも変えられない・
お金では絶対買えないほど
嬉しいことを

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