〔完〕本当の愛をあたしに教えて

「ちょっと優奈、
 もう来ないかと思った。」


第一体育館の渡り廊下で
あたしを見つけるとすぐに
寄ってそんなことを言ったのは
零華だった。


「待たせてゴメンね。
 じゃあ行こっか。」


あたしが再び歩き出そうとしたとき・・


「優奈なにかあった?」


「えっ何かって?」


すぐにあたしに追いついて
隣でまじまじとあたしの顔を見ながら
零華が聞いた。


「だって・・今の優奈凄く嬉しそう。」


「・・そう?」


「・・・だって今だって少し
 笑ったでしょ!?」


つい緩んで笑ってしまったのが
ばれていた・・・


「あたし見てたんだからっ!!
 ねぇ教えてよ。何があったの?」

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