〔完〕本当の愛をあたしに教えて
会場が再び静まり返ったのをあたしは感じていた。
それでもあたしは続ける。
「私が愛しているのは翔先輩ただ一人だけです。どんな時が流れてもこれだけは変わりません。」
『そんな未来のことなんかわかるわけないじゃないか!!』
「隆臥・・あなたが友達以上の存在になることはないわ。」
『そんなのこれからの告白で』
「ごめんなさい。これだけは絶対に無理よ。」
私のこの発言のあと・・
体育館には隆臥が落としたマイクの音が響いた。
《・・・それでは百合華優奈さんは》
「棄権します。」
〔棄権ですって・・〕
〔何を考えていらっしゃるのか!!〕
〔本当にあの人が翔様の婚約者なんて・・〕
静まっていた体育館はすぐにあたしへの野次へと変わった。
親がいる。そんなこと関係なしに、私を言いたいように言う。
そんなとき・・
「残念だけど優奈は婚約者じゃなくて、俺の奥さんね。」