〔完〕本当の愛をあたしに教えて
『ねぇ、結城。
あたしは本当に今日婚約するの?』
結城はあたしがあの家で一番信用出来る
お世話係・・・
物心がついたころからいつもあたしの
隣には結城がいた
本当はこの高校に来るときも母は
結城も連れて行くように、
といったがあたしが断って、
結城とあったのはそれ以来だった
「はい・・・
お嬢様、とても言いにくいのでござい
ますが・・・・」
『いいから早く言って・・
もう、覚悟をしなければならないことは
わかってるから・・・』
「では・・・・
今日の婚約のお話は、こちらからでは
なく、あちらの紫堂グループから
だそうで・・・・
どうしても、お嬢様とあちらの翔様を
婚約させたい。と紫堂社長がじきじきに
うちにお願いにきて
百合華社長も断ることが出来なくて
今日を迎えたとお聞きしました。」
結城がもうしわけなさそうに
あたしの耳元で誰にも聞こえないような
小さな声で言った