〔完〕本当の愛をあたしに教えて
「優奈、みんなにいろいろ言われてるけど・」
めでたく隣の席になった零華が
心配そうに聞いてくる
「あぁ、気にしないで。
あたしは、もう慣れっこだから」
「えっ・・・
慣れてるって?」
あたしが、高校から百合華ではない
学校に通い始めたのにはちゃんと理由があった
幼稚舎のときから、
あたしがテストや運動会の徒競走で
1位になっても誰一人、あたしを
ほめてくれる人はいなかった
みんな、
『親が理事長だから当たり前よね』
『テストの問題だって、あらかじめ教えて
もらっていたから満点とれるのよ』
そんなことを言って、
誰一人あたしをほめてくれる人など
いなかった。
最初のころは、
「違うよ。あたしだってみんなと同じだよ」
って必死に抵抗してたけど、
中学生になってあきらめた。
あたしがこんなこといくら必死で言っても
周りは、わかろうとしないんだから