淋しがりのストレイキャット
そのままみっちゃんを見ていたら、なんだかその嘘もすぐバレてしまいそうで
あたしはすぐにまた、長井君のいる校庭に目をそらした。


長井君は、あたし一人なんかの視線なんてきっと感じてなんか無い。
限りなく無意味な自分の行動が、なんだかバカらしくも思えてきちゃう。



好きだと言われてうれしかった。
その気持ちはまぎれも無く真実なのに。


どうしてこんなにも空虚なんだろう。






「菜月、」






次の瞬間、何故だかあたしはみっちゃんの腕の中にいた。
少しタバコくさくて、でも暖かくて優しい抱擁。



「みっちゃん…?」




そう恐る恐る尋ねてみたけど返事は無かった。
みっちゃんの腕の中で、一瞬長井君の顔が浮かんで
ちょっとした罪悪感にかられたけど、


でも、何故だかその腕を振りほどいてほしくなかった、








自然と、涙が零れた気がした。
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