淋しがりのストレイキャット
いままでせき止めていた何かが溢れて、自分では制御できない。
泣く声を殺すことぐらいしか出来なくて、きっとみっちゃんにも不審がられているに違いない。
そう、思っていた。
「なぁ菜月、」
みっちゃんの低くて柔らかい声があたしの耳元近くで囁く。
「…なに?」
それは抗えないような、誘惑。
「放課後、一緒にいてやろーか?」
その頃のあたしには、その誘惑を撥ね除けるだけの気持ちなんかなかった。
泣く声を殺すことぐらいしか出来なくて、きっとみっちゃんにも不審がられているに違いない。
そう、思っていた。
「なぁ菜月、」
みっちゃんの低くて柔らかい声があたしの耳元近くで囁く。
「…なに?」
それは抗えないような、誘惑。
「放課後、一緒にいてやろーか?」
その頃のあたしには、その誘惑を撥ね除けるだけの気持ちなんかなかった。