白い世界:未完
また模試で
算数98点
国語95点
社会100点
理科97点
英語93点
こんな数字ばかり並んだある日
「へ〜柏原さんって、すっごく頭いいのね!すごいね」
久しぶりに教師以外から外で呼ばれた自分の名前に驚いた
後ろを振り向くと
そこには二つ結びのかわいい女の子がいた
名前も知らないその子は
私の模試の結果を覗いた
私の目線に気付いたのか、その子はすごいスピードで話し始めた
「私はね、川崎空。あのね、最近この塾に入ったんだけど友達が出来なくてね、模試の結果も良くなくて。みんなの名前も知らないんだけど先生が柏原、残念だったな、って言ったの聞こえて模試だめだったのかなって...」
そこで私は思わず大笑いしてしまった
「あ、ごめんね。頭悪いのかな、とかじゃなくてね...」
「分かったよ。違うの、すごく早口だから、優奈、笑っちゃった」
その言葉に嘘はなく、
久しぶりに同級生の子と話すのが嬉しかった
「優奈ちゃん、って言うんだ」
そう言って微笑む目の前の子に、
きっと私は恋をした
勿論同性の子に
変な意味ではなくて、人として、
自分がこの子と話しているのが嬉しすぎて