幸せはキミと ~お嬢様と貧乏大学生~
<エピローグ>
「やっぱりラーメンはミソだよなぁ」
「私はお醤油味も好きだよ」
ふふふ…
私の誕生日。
キッチンに並んで2人で作ったのは、スーパーの特売で5袋入り298円で買ったみそラーメン。
キャベツと玉ねぎとウインナー。中身もあの時と全く同じ。
昔。彼のアパートのキッチンで、初めての手料理を思いっきり失敗して落ち込んで泣く私に、
「オレ。ラーメンなら作れるから一緒に作ろう」
と言ってくれたあなた。
あの言葉は本当に嬉しかったんだよ。
その時、たまたま冷蔵庫にあったのが、キャベツと玉ねぎとウィンナーだったよね。
生まれて初めて食べたインスタントラーメンの味は、圭吾さんの思いやりのエッセンスが効いていて、本当においしかった。
それからこのラーメンは、私たちの思い出の味になったんだよね。
あの時。私は圭吾さんになら、何があっても一生ついていけるって思ったんだよ。
私たちが信じた未来は間違ってなかった。
2人でラーメンを啜りながらいっぱい幸せを感じて。
「何食べでも2人なら美味しいね。圭ちゃんと作るラーメンは世界で一番だよね」
「みゆ。かわいい」
"ちゅ"
今日の圭ちゃんは久々のキス魔バージョンかな。
これからも。私はあなたと歩いて行きたい。
end