幸せはキミと ~お嬢様と貧乏大学生~
*貧乏大学生
オレ圭吾。21才。
都内のお金持ちのご子息、ご令嬢が集まる事で有名なある大学に通っている。
あ!オレは至って普通の家庭の子。オヤジは地方の町役場に勤める公務員で母さんは専業主婦だ。
昔から頭だけは良かったオレは、親にも迷惑を掛けたくなくて、入学金免除制度があるこの学校を受験した。
でも…。
"何か場違いな学校に来てしまったな"
これがこの大学に入って最初に感じた正直な思いだった。
まず装いから違う。男も女も、どこそかのブランドの服に身を包み、持ち物も見ただけで、高級品だと分かるような物ばかり。
3000円のシャツなんて誰も着てないんだろうな。
週末にはクルージング?
実家の隣のおっちゃんは、漁師で船持ってけど…。
ふっ。オレって場違い?
ちょっと卑屈になりかけたオレに最初に声を掛けて来たのが、隆だった。
隆だって、ものすごいお坊ちゃまだったけど、そんな事感じさせないほど、気さくなヤツで。
オレはすぐ仲良くなって心を許せる関係になり、
隆と仲良くなると、他のみんなとも自然と打ち解けられた。
オレが卑屈になってただけで、付き合ってみると、みんないいヤツで。
みんなはみんなで、パーティーやらお付き合いやら、そして将来やら、色々と大変そうで。
そうだよな。金持ちだからって悩み事がないわけないもんな。