べとべとに溶けるほど
室内は、人気がない割りには小綺麗に保たれておりました。もぬけの殻と言うわけではなく、生活用品はまだ残されてありましたね。

勝手口から入ったので、階段の裏から、風呂場と洗面所を横目に居間に入り、台所を舐めるように眺めると、私はそれに丁度対面する、襖に手を伸ばしました。

こうして、私はついに、先生の書斎へと足を踏み入れたのでした。
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