来栖恭太郎は満月に嗤う
鋭い牙を剥き、躍動する全身の筋肉を弾ませ、俺に向かって食らいかかってくるライガン。
「フン」
俺は慌てる事なく、その顎を片手で掴んで咬合を阻止した。
「来栖ぅぅっ!」
それでも俺を食い千切り、引き裂こうと、ライガンは唸り声を上げながら暴れる。
「只の畜生ではないと思っていたが、人語まで解するとなると、いよいよもって化け物狼だな、ええ?ライガン」
手の中で抵抗するライガンに言ってやる。
「あれから少し、俺も勉強させてもらったよ…『lycos』…確かギリシャの言葉だったよなぁ、リルチェッタ?」
「!」
リルチェッタがハッとする。
『lycos』
どうやらギリシャでは専門用語として使われているらしい。
英語では『lycanthropy』。
その意味する所は。
「人狼…そうだろう?ライガン」
「フン」
俺は慌てる事なく、その顎を片手で掴んで咬合を阻止した。
「来栖ぅぅっ!」
それでも俺を食い千切り、引き裂こうと、ライガンは唸り声を上げながら暴れる。
「只の畜生ではないと思っていたが、人語まで解するとなると、いよいよもって化け物狼だな、ええ?ライガン」
手の中で抵抗するライガンに言ってやる。
「あれから少し、俺も勉強させてもらったよ…『lycos』…確かギリシャの言葉だったよなぁ、リルチェッタ?」
「!」
リルチェッタがハッとする。
『lycos』
どうやらギリシャでは専門用語として使われているらしい。
英語では『lycanthropy』。
その意味する所は。
「人狼…そうだろう?ライガン」