来栖恭太郎は満月に嗤う
ギロリと。
愛らしい表情とは裏腹の冷徹な瞳で、娘は俺を見やる。
「吸血鬼風情が私を『お前』呼ばわりするな。私は名門貴族ローゼンハイム家の女で唯一、爵位級と同等の力を認められた娘よ」
そう言って。
彼女は粘着質を帯びたうっとりとした表情を浮かべた。
「アリカ姉様、または女王様と御呼びなさい」
成程、随分傲慢にして変質的、爛れた趣味のようだ。
しかし、興味深いのはこのアリカ・ローゼンハイムという娘の変態趣味ではなく、その家柄の方だった。
ローゼンハイム家か。
それならばこの使用人達の黒幕と名乗るに相応しい。
「そうか…お前は悪魔か」
愛らしい表情とは裏腹の冷徹な瞳で、娘は俺を見やる。
「吸血鬼風情が私を『お前』呼ばわりするな。私は名門貴族ローゼンハイム家の女で唯一、爵位級と同等の力を認められた娘よ」
そう言って。
彼女は粘着質を帯びたうっとりとした表情を浮かべた。
「アリカ姉様、または女王様と御呼びなさい」
成程、随分傲慢にして変質的、爛れた趣味のようだ。
しかし、興味深いのはこのアリカ・ローゼンハイムという娘の変態趣味ではなく、その家柄の方だった。
ローゼンハイム家か。
それならばこの使用人達の黒幕と名乗るに相応しい。
「そうか…お前は悪魔か」