来栖恭太郎は満月に嗤う
敗北し、ただ卑屈に従順に、俺にかしずく輩ならばその場で葬っている。

尻尾を振るだけの狗になど興味はないのだ。

隙あらば鋭い牙を首筋に突き立ててやろう。

そんな考えをいつまで経っても捨てられない、愚かだが危険な匂いのする狗にこそ、俺は退屈な日常を紛らわせる事ができる。

我が屋敷に残った使用人達。

彼らは皆、愚かで浅はかながらも、最高に刺激的な俺の退屈しのぎだった。

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