来栖恭太郎は満月に嗤う
ライガンが屋敷に来た事で、メイドであるリルチェッタの仕事は増える事となった。

普段から給仕、屋敷内外の清掃、俺の身のまわりの世話など仕事は事欠かないというのに、それに加えて凶暴な番犬の世話まで。

クレオは基本的に俺に付き添って行動している為、それ以外の雑務は全てリルチェッタがこなしている。

しかもメイドは彼女一人だけ。

相当な激務である事には間違いない。

が、リルチェッタ自身がこの屋敷で働きたいと申し出たのだから、俺が便宜をはかってやる必要はない。

ましてや、この屋敷で働く事を口実に俺の隙を窺い、あわよくば両親の復讐を果たそうとしている女狐だ。

何を憐れむ必要があろうか。

何なら仕事中にミスでもやらかせばいいと、俺は楽しみに待っていた。

そうすれば、リルチェッタを思う存分責め嬲るという口実が出来るのだが…。



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