来栖恭太郎は満月に嗤う
やがて、リルチェッタの身につけているエプロンドレスの背中の部分が千切れ飛び始めた。

露わになる彼女の白い背中。

その美しい肌に刻み込まれる、赤く醜い鞭打ちの痕。

最早『痕』に留まらず、肌は切れ、幾筋もの血となって流れ落ちる。

それでも俺は手を止めない。

リルチェッタの悲鳴に恍惚としながら、もっとその音色を楽しみたいと鞭を振るう。

この娘は実に素晴らしい『楽器』だ。

よくぞ失態を犯してくれた。

既にこれが仕置きである事も忘れ、思う存分に鞭を振り下ろすが。

「……っっっっ……」

遂にリルチェッタは立っていられず、その場にズルズルと崩れ落ちてしまう。

壁に残る爪の痕。

荒くした呼吸。

汗まみれの表情。

流石に限界だったようだ。

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