来栖恭太郎は満月に嗤う
翌日。
濃い霧に覆われ、太陽の光すら届かない樹海の奥の屋敷にも、等しく朝はやって来る。
俺にとっては清々しい、リルチェッタにとっては憂鬱しか感じさせないであろう、新しい一日の始まりだ。
ベッドの中で鳥のさえずりを聞きながらまどろんでいると。
「失礼致します」
極々小さな音を立てて部屋のドアを開けたクレオが入室してきた。
「おはようございます来栖様。起床のお時間です。朝の紅茶をお持ち致しました」
「ん…」
まだ若干重い瞼を開き、俺はベッドから起き上がる。
その視界に最初に捉えたのは。
「!」
恭しく頭を下げる執事のクレオ。
その数歩後ろで、同じように一礼するメイド姿のリルチェッタだった。
濃い霧に覆われ、太陽の光すら届かない樹海の奥の屋敷にも、等しく朝はやって来る。
俺にとっては清々しい、リルチェッタにとっては憂鬱しか感じさせないであろう、新しい一日の始まりだ。
ベッドの中で鳥のさえずりを聞きながらまどろんでいると。
「失礼致します」
極々小さな音を立てて部屋のドアを開けたクレオが入室してきた。
「おはようございます来栖様。起床のお時間です。朝の紅茶をお持ち致しました」
「ん…」
まだ若干重い瞼を開き、俺はベッドから起き上がる。
その視界に最初に捉えたのは。
「!」
恭しく頭を下げる執事のクレオ。
その数歩後ろで、同じように一礼するメイド姿のリルチェッタだった。