来栖恭太郎は満月に嗤う
そう考えて。

俺はある結論に思い当たる。

そうか…そういう事か。

俺の予想が正しければ、リルチェッタは鞭打ちの負傷にも確かに耐えられる筈だ。

それどころか、もっと容赦ない仕置きをくれてやったとしても、彼女は何事もなかったかのように翌日には職務を果たす事ができるだろう。

あくまで俺の推測。

しかし現時点では、俺はその推測をリルチェッタ本人に確認するまではしなかった。

彼女が本当は『そう』なのか、『そう』ではないのか。

それを今後の言動から推測していくのも、また一つの楽しみ。

そして彼女の『正体』を暴いた時こそ、何物にも勝る快感を得る事ができる。

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