来栖恭太郎は満月に嗤う
「ふはははははははははははっ!」

俺は高笑いした。

「………っ!?」

ハルパスが目を見張る。

高圧水流によって全身を蜂の巣にされたにもかかわらず、口から出たのが悲鳴でも断末魔でもなく高笑いなのだ。

驚愕して当然。

しかし、俺にしてみれば笑わずにいられるだろうか。

「挑発され、理性を断ち切られ、殺意に駆られて本気を出したところで、この程度の力とはな」

全くお笑いだ。

この程度の実力で、『太陽の下を歩く者(デイライト・ウォーカー)』来栖恭太郎に盾突くとは。

その不遜、万死に値する。

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