来栖恭太郎は満月に嗤う
樹海に轟く阿鼻叫喚。

その引き裂くような悲鳴に、潜んでいた鳥達が一斉に飛び立ち、脅えたように悲鳴を上げた。

ざわざわと、樹海全体が風もないのにざわめく。

まるで、この俺の力の一端を垣間見て恐れおののくかのように。

…やがて樹海に静寂が戻る中。

雫が滴る音だけが、森にこだました。

それは、ハルパスのズタズタに損壊された肉体より滴り落ちる血の音。

「フン…」

俺はハルパスの首を片手でつかみ、その肉体をぶら下げたまませせら笑う。

南米随一の人外も、俺にかかればこの程度が…。

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