★あいつは教育係☆
・*信次*・



「今日も頑張れよ?」

俺は、綾菜の肩に手を置いて、出来る限り優しく言った。



「う......うん。」

綾菜はちょっと驚いた顔をしながら、頷いた。



綾菜を好きだと自覚して以来、俺は出来るだけ綾菜に優しくしていた。



今さらこんな事しても無意味だとは思ったが、一部の望みを託して......

でも

「今日も頑張ろうね?」

綾菜に話かける雅哉の方を見た。

俺とは違って、自然な笑顔。



やっぱり、雅哉さんみたいにはなれねぇな......

俺は一つため息をついた。


「雅哉ー!」
和希が雅哉に飛び掛かって行った。

......ナイス。和希さん......

「なぁ。お前彼女と仲良くやってんの?」

「ん?一応ね。」

!?

雅哉さん、彼女いたのか。

じゃあ、綾菜は......

凄いショックだろうな......



でもその時俺は

内心凄くホッとしていた。


なぁ......もぅ俺にしとけよ?
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