★あいつは教育係☆
「遅い!」

「......ごめんなさい......」

昨日、夜中まで今日着ていく服考えてたら、寝坊した......

でも、メイクはちゃんとしないといけないし......

結局、30分遅刻......



「はぁ......」
信次、ため息ついてる。

そりゃそうだよね......
遅刻しないって言っておきながら、30分遅刻なんて......
呆れられてもしょうがないよね。



私が俯いていると、信次が優しく頭を撫でてくれて

「予想はしてたから、そんな顔するなよ。」

って......

これって、信次なりの優しさだよね?

本当、不器用な男なんだから。

でも、そこが凄く可愛い......

というか、愛しい?

好きかも?だったのが

好きに変わって......

今は、どんどん好きって気持ちが大きくなる。



「ほら、何してんだ?おいて行くぞ!」

あ!信次、もう先に行っちゃってる!
気がつかなかった......

「待ってよー!」
急いで信次に追いつこうとした時

ドターン!

足を滑らせて転んでしまった。

......

痛い......

早く、信次に追いつかないといけないのに。

こうしている間にも、きっと信次は気付かないで、先に行ってるはず。

なのに......

足が痛くて、立てない......



クスクス。
人の笑い声が聞こえる。

痛いし、恥ずかしい。
もうやだっ!



その時、誰かに体を持ち上げられて、立たされた。

「何やってんだよ。お前は。転んだのか?」

信次だ......

気付いてくれたんだ。

来てくれたんだ......

それが、なんだか嬉しくて、私は涙がでた。

「うわっ!どうした?そんなに痛いのか?」

信次は、なだめるように、頭を撫でてくれる。



転んで痛かったし、恥ずかしかったけど、転んで良かったって思うのは、矛盾しているかな?
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