★あいつは教育係☆
「私もね、信次くん好きだったんだよー!でもさ、綾菜ちゃんだったら、良いって思ったの。二人お似合いだから!」


お嬢様......


「このパーティーの最後にダンスあるんでしょ?信次くんと踊れると良いね!」


うん。
踊りたい。
でも......


「他のお嬢様方も信次と踊りたいと思いますし......」

私、一応スタッフだから

やっぱり、この場合はお嬢様優先だよね......

「あー。確かに......でも、信次くんが好きなら、お嬢様優先だからとか全部シカトして、奪っちゃいなさいよ!」

え......

そんな、無茶な......

なんかこのお嬢様、いろいろ無茶苦茶なんですけど......

「お嬢様......そんなの無茶ですよ。」
と私が言うと

「好きなら多少の無茶も許されるわよ?私は応援してるから、頑張りなさいよ!綾菜ちゃん!」

と言ってくれた。

そうなのかな?

多少の無茶なら......しても良いのかな?

本当は私、他の子と踊って欲しくない。

例えそれが、仕事でも......

「お嬢様......ありがとうございます。私......本当は信次に他の子と踊って欲しくありません。でも、それはただのわがままだから、諦めようと思っていました。でも......多少のわがままだったら......良いですよね?」


私は聞いた。


「その通り!頑張りなさいよ!綾菜ちゃん!」

「お嬢様......」

うわー!

うわー!

うわー!!

なんて優しいお嬢様なんだろう!

「お嬢様じゃなくて、奈々子よ!奈々子!」

奈々子さん......

姓名判断とかよく分からないけど、優しさが滲み出ていますー!

「ありがとうございます!奈々子さん!」


「綾菜さん、御主人様がお待ちしておりますよ。」

とオーナーに呼ばれたため、私は奈々子さんにもう一度お礼を言って、その場をあとにした。





「ありがとう。奈々子。」

「上手くいくと良いね。」
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