★あいつは教育係☆
「お嬢様、御主人様方!そろそろ、楽しいハロウィンパーティーも、終わりに近付いて参りました。パーティーの締めくくりに、どうか私共と一曲踊って頂けませんでしょうか?」


オーナーのその言葉と同時に、会場には素敵な音楽が流れはじめ

お嬢様同士で踊ったり、お嬢様と御主人様で踊ったり......

勿論

「五十嵐徹さん!私と踊って下さい!」

「菊地和希くーん!一緒に踊って!」

佐々木アレンさん......私と踊って頂けますか?」

「井澤雅哉様ー!踊らせて下さい!」

と、執事スタッフと踊るお嬢様方もいる。


信次は?


「信次くん。踊ってくれない?」

「あー!私も踊りたい!」

うわぁ......

人気だなぁ。

話かけるの無理そう......
その時

(「ちょっとくらい無茶しても良いんじゃない?」)

奈々子さんの言葉を思い出した。

ちょっとくらい......

わがままでも良い?


「あ......俺......」

信次......なんて返事するの?良いですよ。って言うの?やだよ。そんなの絶対に嫌だ!」


「信次!」

私は無我夢中で信次のもとに走り出していた。

「......綾菜?」

絶対に今、信次ビックリしてる......てか、勢いで飛び出して来たけど、周りの視線が痛い......

でも、ちゃんと言わなきゃ!

私の気持ち......

引かれても......

迷惑だって言われても......

伝えないで後悔するよりはマシだよ。

「......で?」

「は?」

声があまりにも小さ過ぎて聞き取れなかったらしい。

緊張する......

私は深く深呼吸して

言った。

「他の子と踊らないで!私......信次が好きなの!」
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