★あいつは教育係☆
華は無理して笑いながら

「でも、答えは......分かっているから。私......大和撫子じゃないし......」

あ。気にしてたのか......

「Sweet☆Rainにも来て欲しくないなら行かないから、安心して!」

そう言って華は立ち去ろうとした。

おいおいおい。

「何一人で完結してるんだよ!」

俺はそう言って、華の腕を掴んだ。

華は我慢の限界だったらしく、目には大粒の涙をためていた。

「正直......まだ好きとかは分からねぇけどさ......これからもSweet☆Rainに来いよ?指名は絶対にしろよな。ってか、俺がバイトあがる間際に来い!」

俺がそう言うと、華はなんで?っていう顔をしながら俺を見た。

「あー。その......とりあえずだ。まずは明日、お互いの事をよく知るために、どっか行かねぇか?」

と俺は言った。

華は一瞬びっくりしたようだったが

また泣きそうな顔をして

「いいの?」

と呟いた。

良いから言ってんだろ。

本当そういうところは可愛いよな。


俺は華をそっと抱き締めた。

華も俺にギュッと抱き付いてきた。



あーあ。
俺の好きなタイプは大和撫子なはずだったんだけどな。

でも、ちょっとヤンキーっぽくて

でも、困った人がいたら手を差し延べる心の優しさがあって

気は強いけど

すぐに真っ赤になる......

そんな大和撫子も良いだろ?

まだ好きか分らない......

華にはそう言ったけど

実はもう惹かれ始めている事は

暫く内緒にしておこう。



「ほら。送ってやるから、今日は帰るぞ?」

華に手を差し延べて

華は恥ずかしそうに手を握り返した。
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