★あいつは教育係☆
......最悪......

今日の電車の混み方マジでありえなくねぇ?

身動きとれねぇし!

しかも、隣にいるオッサンは何か変だし。

さっきからハァ。ハァ。言って、何なんだ?

まぁ、確かに人口密度多すぎて、息苦しいけど。

でも、それにしても、ハァ。ハァ。言い過ぎじゃねぇ?

ふと、そのオッサンの前を目にすると

恐怖で身体を震わせている一人の女子高生がいた。


コイツ......

痴漢してんのか?

俺の目の前でそんな行動をするなんて、良い度胸じゃねぇか!


俺は、オッサンの手を思いきり掴み

「ちょっと、次の駅で降りて貰おうか?オッサン!」

と言った。


オッサン......痴漢は、最後まで白をきろうとしていたが、目撃者が何名かいたらしく、あえなく御用。

次の駅の駅員に、身柄を引き渡した。



さてと......

「大丈夫だったか?」

と、俺は痴漢の被害者である、女子高生に声をかけた。

女子高生は俯いていたが

「ありがとうございました......助かりました。......和希さん。」

と言った。


ん?この声って......

しかも、今和希さんって言ったよな?

俺は、恐る恐る女子高生の顔を見た。


......やっぱり......

俺の本性を見抜いた女だ。
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