★あいつは教育係☆
「あー......どうも。」


作り笑顔を見せて、どうにか誤魔化す事も出来たが

多分、この女には誤魔化しは通用しないだろう。


開き直った俺は

完全な素に戻った。

何も喋らない女を見て

例え、俺の本性を見抜いたとは言え、Sweet☆Rainでは、無駄に笑顔を振りまくこの俺が、実は口は悪いし、プライベートではあんまり笑わないって知ってビックリしたか?


なんて思っていたが

女はニッコリ笑って

「こっちの方が、貴方らしいと思いますよ。」

と言った。


俺らしい?


「馬鹿じゃねぇの?俺はSweet☆Rainの可愛い担当なんだっつの。」


って、俺が言うと


「でも、可愛い担当だからって、ずっとキャラ作っていたら疲れませんか?......私の前では素で良いですよ?もう知っちゃいましたし。」


と、手を口にあてて小さく笑う女。


今までこういう女と接した事ねぇから、何か調子狂うな。

ってか、コイツ絶対に......

「お前、天然記念物だよな。」

ボソッと言う。

お前は小首を傾げて

「私は天然記念物じゃありませんよ?」

と言った。

あー!もう駄目だ!

「クックックッ......あー、あははっ......そんなの知ってるっての。あー......ツボッた。」

俺がなんで笑っているのか理解が出来ないらしく、お前は暫く不思議な顔で小首を傾げていた。
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