★あいつは教育係☆
「はい。するつもりです。親にも頼まれましたし......」

なんだよ......それ。

霞ちゃんも俺と同じ気持ちだと思っていた。

でもそれは俺の勘違いで

それが君の答えか。


「君は親の敷いたレールに乗るつもりなのか?そりゃ、将来楽に暮らせるだろうが、君はそれで良いと思っているのか......君にはプライドがないのか?」


少し......

キツい言い方になってしまった......



霞ちゃんは傷付いたような顔をしながらも俺に言った。


「お見合いを受けるのが、そんなに悪い事ですか?親の敷いたレールに乗る?私はそんなつもりでお見合いを受ける訳ではありません。アレンさんは、親の敷いたレールに乗りたくないってだけで、お見合いもしないんですか?そんなのおかしいと思います。相手にも失礼ですよ!」


霞ちゃんはそれだけ言うと

「もう......帰ります。......さようなら。」

と言って

帰ってしまった。





俺はなんて事を言ってしまったんだろう。

本当に最低野郎だよな......


最後のあの「さようなら」はどういう意味だ?

ただの別れの挨拶?

それとも永遠の別れの挨拶か......?





馬鹿なのは俺だよな。

霞ちゃんは、きちんと自分の使命を果たそうとしている。

男の人が苦手な霞ちゃん。本当は見合いも嫌だろう。

なのに、受けようとしている。

運命に逃げている俺と違って、強い子だよ......



受けよう......

見合い。

どうなるか分からないけど、会うだけ会ってみよう。

俺は家に帰って、送られてきた写真を見た。





......えっ?
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