★あいつは教育係☆
「それでそれで?」

綾菜ちゃんが身を乗り出して聞いてくる。

俺はクスッと笑って


「ん?好きだって自覚したら、どうしても欲しくなって......付き合っていた彼女と別れて、彼氏がいた奈々子を彼氏から奪っただけだよ?」


と俺は言った。


「キャー!略奪愛!!」

と綾菜ちゃんがテンション上げながら言っていると

ゴンッ!

綾菜ちゃんの頭に信次からの鉄拳が......

「いたーい!」

「うるさい。まだ仕事中だろ。」


綾菜ちゃんは頭を押さえながら、ブツブツと文句を言って、信次と一緒に仕事に戻って行った。

あはは......

ごめんね?綾菜ちゃん......


「雅哉さん。」

信次が戻ってきて

俺を呼ぶ。

「ん?」

「奈々子さん、来ています。こちらにお連れしますから。」


うん。よく出来た子だね。

また仕事に戻ろうとする信次に

「幸せにしてあげなよ?」

と俺は言った。

信次はくるっと俺の方を向いて

「当たり前です。」

と言って戻って行った。


クスッ。
頼もしいなぁ。

さて。俺も負けてはいられないな。


なぁ。奈々子?
約束覚えているか?


絶対に幸せにするから!


守るよ。
絶対に幸せになろうな?
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