翡翠の姫君
私の手をすっぽり覆うくらいの大きな、骨っぽい手。
…男の子だ。
あらためて自覚してしまう。
少しどぎまぎしながら、話しているとあっという間に着いた。
「この廊下を真っ直ぐ行って左だ。」
「ありがとう。
わざわざごめんね。」
手を離そうとした時、レオにギュッと握られた。
「…頑張れよ。」
微笑み、私の目を見つめながら静かに言った。
さらに胸が鳴る。
「う、うん!!!」
とっさに、平然を装って言った。