翡翠の姫君



筆記用具などを出して準備していると


「ガチャガチャ…うるさい。」




隣から低い声が聞こえた。


「あっ…すみません。」



謝りながらチラッと目をやると、私の左隣の男の人が机に突っ伏していた。



その人がゆっくりと体を起こし、私と目が合う。



少しの間の後、眠たそうに口を開いた。



「髪…すごいな。」



す、すごいってどういう意味の…



私がじっとその人を睨んでいると




「…チカチカと…目が痛ぇ。」



ボソッとそんなことを呟いた。



「なっっ…………!!」




…っ目が痛い!!?




失礼にも程があるでしょ!!?



仮にも初対面の人に向かって!!!





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