翡翠の姫君


考えながら森への道を歩いていると、ドンッと人にぶつかった。



「あっ、すみません。」



そう言って顔を上げると



「「…あ。」」



声がかぶった。



そこには、私を見下ろしている…
あのガクっていう人。




「こ…こんにちは。」


とりあえず、ニコっと笑顔を見せた。


「…………どーも。」



前を見て歩きながら呟く。


わぁー…

…なんて無表情。



ニコリぐらい笑えばいいのに。




会話もなく、気まずい空気が流れる。



黙々と歩き続ける私達。





い……いたたまれない…!!





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