翡翠の姫君



周りの空気が静かになる。





「じゃ、今からペアを発表するよー」



看護師長は変わらずニコニコと楽しそうに話す。



ホント…

初めて聞くよ…こんな試験。



次々にペアが発表される。


「次は…エミリアとー」



私の名前…!!



じっと看護師長を見つめる。




「…ガクね。その次ー」



…瞬間、周りの声が聞こえなくなった。




ガク?

ガクって…



チラと顔を上げる。



「…足引っ張るなよ。」



ハッと短く息を吐いて呟く。




やっぱりコイツかーーっ!!!!!!




「っ……そっちこそ!!」




最悪!!!!


私…運ないなぁ…。



よりにもよってコイツかよ…







―こうして、怒涛の二次試験が幕を開けた。








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