翡翠の姫君



「………早く持っていけ。」


ガクが静かに言った。



「でもっ………」


「いーから!!早くしないと2人とも失格になる!!
…俺はこのザマだ。悪いけど、おまえに任せる。」


血が流れる足を押さえながら話す。


「看護師…なるんだろ。
こんな所で止まってちゃ、救うもんも救えねぇぞ。
おまえが今、優先するべき事を考えろ。」




…優先するべき事……





試験か…ガクか。




「ほら、早く行け。」




…そんなの……………っ!!!!






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