翡翠の姫君
私は勢いよくガクの腕を引っ張って、肩に回した。
「ちょっ…おい!!??」
腰に手を添えて、支えながら歩く。
「おまえ何してんだよ!!
俺はいーからっ……」
「…っよくない!!!
私1人で行ったって…
…2人で行かないと意味ないでしょ!!」
ガクが驚き、口を閉じる。
…優先すべき事はわかってる。
だけど…私1人で行ったって、後で後悔すると思う。
それにレオなら…
迷わずこうすると思うから。
私はレオの顔を浮かべながら、ゆっくりと足を進めていく。
この坂を進むと、多分広い道に出れるはず。
そう思って進んだ。