翡翠の姫君
〜第3章〜
予兆
―シルク王国・メルス城―
「セディ王子、娘の居場所がわかりました。」
「おぉ。御苦労だった。早速迎えに行こうか。」
「それが…娘は今、アルバニア王国のヴェルサス城で働いているようです。」
「ヴェルサス城か…。
…かまわん。
私が手をうっておく。おまえは娘をここに連れてこい。」
「きっと話しても聞かないと思いますが?」
「それなら、多少手荒な真似しても仕方がないな。
ただし傷はつけるなよ。」
「…わかりました。」
大きな椅子に座り、不適に笑う。
―シルク王国
第1王子セディ