翡翠の姫君




お弁当も食べ終わり、片付けようとした時



「エミリア?」



聞き慣れた声が聞こえた。



「…レオ!!」




パッと顔を上げると、向こうからレオとセルトさんとティナさんが歩いて来ていた。





「…剣の稽古してたの?」



よく見れば、レオの額にはうっすらと汗が光っている。



「あぁ。そこでちょっとな。
おまえは昼休憩か?」



「うん。今食べ終わったとこ。」



レオの言葉に笑顔で答えた。



すると、隣にいたガクが私の耳もとでボソッと呟いた。



「レオって……も、もしかして
第2王子のレオ殿下…か…?」



珍しくどもった声。



「へ?うん。そうだけど…?」




チラとレオの方を見ると、心なしか少し不機嫌。



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