翡翠の姫君
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「…で、後はこの消毒液を5本お願いします。
全部ヴェルサス城へ配達して下さい。
お金もその時まとめて払います。」
「はいよ。毎度ありー」
ドアを開くとカランカランとベルが鳴り、私は店を出た。
「ここで終わり…っと。」
貰ったメモにチェックしてから、ゆっくりと城への道を歩いた。
「この道も久しぶりだなぁ…」
山の梺に見える、立派な城。
空はもう太陽がオレンジに輝いてきている。
もう秋だということで、さすがに夕方は少し肌寒い。
そんなことを考えながら足を進めていると、急に大きな影が私に重なった。