翡翠の姫君




…嫌だ。



行きたくない。




「む、無理です。行きません。」



震える声で答えた。



すると、更に低い声で



「そうですか…。なら仕方ないですね。」




そう呟き、手を動かした。




―その瞬間見えたモノ。



その右手にある、白い布。







────やばい





そう思った時にはすでに
薄れていく意識の中。











私は男性に、その白い布で口を覆われたんだ。




そう理解して、私の意識が途切れた。










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