翡翠の姫君

夜会





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「…ん……?」



なんか…柔らかい…



不思議に思い、ゆっくりと目を開く。




天井から豪華なシャンデリアが吊り下げられている。


こんな部屋…知らない。




まだ重たい体を起こすと、人が3人ぐらいは余裕で寝られるような、広くて豪華なベッドの上にいた。



「どこ…?ここ…」




そう呟いて、目が覚めてきた。

同時にさっきの記憶もよみがえる。





城下に買い物に行っていた途中で
シルク国の人に会って…



その人はメルス城のセディ王子の側近で…



シルク国に来いって言われて断ったら、布で口覆われて…




…今、だ。





サルビナ辺りの毒を嗅がされたんだろう。



まだ体が痺れてる。



毒性は弱いとはいえ…


「酷いことするなぁ…」



手足を動かして感覚を戻していると、ガチャッと扉が開いた。




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