翡翠の姫君
「王子、お連れいたしました。」
「あぁ。来たか。」
その椅子をくるっと回転させて、私の方を向いた。
「よく来たな。
私はシルク王国の第1王子セディだ。」
よく来たなって…
私は来たくありませんでしたよ…
思わず顔がひきつりそうななるのを堪える。
肩につくぐらいの茶色い髪。
その髪と同じ色の瞳。
年はセルトさんくらいかな?
そして…なんかキラキラしてる。
人はもちろん、この部屋も。
この城は王子の趣味なんだと確信した。
「美しいだろう?
私は綺麗なものを集める事が大好きなんだ!!
この部屋は私が必死に集めた、私に見合う物ばかりで埋め尽くした特別な部屋さ。」
「はぁ…そうですね…」
やけに興奮して語る王子。
そんな王子とは反対に呆れた声が出る。
この人……バカなんだ…。
美しいものについて熱く語る王子に、すでについていけない。
まず、私はなんで呼ばれたの!?