翡翠の姫君
「なっっ…なにを!!!!」
大きな声で叫ぶセディ王子。
ジャキッと潔い音がする。
私は片手で握っていた、切った髪を差し出し
「そんなにこの髪が欲しいのなら、どうぞ貰って下さい。」
強く睨んで言った。
「私はこの城に住む気はありません。
自分の道は自分で決めます。」
そう言い放ち、固まっているセディ王子からレオに目線を移す。
さっきは焦って驚いた表情をしていたレオ。
今はすごく優しい笑顔で私を見つめてくれていた。
私も自然と笑顔で返す。