翡翠の姫君




「…エミリア」



そう言われて、ゆっくりと顔を上げる。




真剣な表情のレオ。



…か、顔が近いっ…




そう思った時



急に唇に温かさを感じた。






それがキスだとわかるまで時間がかかって。


ただ触れるだけのキスだけど長くて。





私は突然のことに、目を瞑ることも忘れていた。





息の仕方がわからず苦しくなってきた頃
ゆっくりと唇が離れる。




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